特定技能「建設」人材を採用するには【費用は?】

記事更新日:2020年08月11日 初回公開日:2020年08月04日

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現在、日本は少子高齢化に伴い様々な業界で人手不足が深刻化しています。中でも、かなり深刻な人手不足に陥っているのが建設業界。その現状を改善しようと、2019年4月に特定技能の建設が施行されました。すでに特定技能を有する外国人労働者を雇用している方も多いのではないでしょうか。特定技能建設は決まりが多いため、きちんと理解していないと利用することは難しいです。そこで今回は特定技能の建設についてご紹介します。今後、外国人労働者の受け入れ拡大を検討している方必見の内容です。

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特定技能「建設」とは

2019年4月から入管法により改正された新しい在留資格

特定技能の建設とは、2019年4月から入管法により改正された新しい在留資格です。これは、人手を必要としている建設現場で働くために導入されました。特定技能は建設業を含め14分野での就業が可能となっています。具体的には自動車整備や飲食料品製造、また造船工業や外食業など人手不足が深刻化している業界を中心に導入されています。よく技能実習制度と比較されますが、技能実習制度の目的はあくまで国際協力の推進です。生産性向上と人手不足解消のための労働力確保を目的とする特定技能とは異なるため、しっかりと区別しておきましょう。

特定技能1号について

有効期限は5年間

特定技能には1号と2号の2種類あります。1号の場合、有効期限は5年間と定められています。これは特定技能1号で在留していた期間を指しており、過去に日本に在留していた期間も含まれるため注意しましょう。さらに、特定技能1号を取得した外国人労働者が失業した期間や、怪我によって休職した期間も在留期間に含まれます。また雇用の契約期間に関係なく、在留期間が5年に達した場合は以後の在留は認められません。その点も考慮した上での雇用が必要です。雇用前に在留期間の確認を行い、トラブルを未然に防ぎましょう。

ビザ発行上限が40,000人と決まっている

建設業界の特定技能1号のビザ発行上限は40000人と決められています。しかし、建設業界では今後5年で21万人の人手不足が予想されています。少子高齢化に伴いその数はますます増えるでしょう。そのため、たった4万人の受け入れでは不十分という意見もあります。企業同士で外国人労働者の奪い合いになる可能性も十分あるでしょう。人手不足がさらに深刻化した場合、企業間での外国人労働者の奪い合いは避けることが出来ません。特定技能の資格を持つ外国人労働者の雇用を検討している方は、早めに人材を確保しておくことをオススメします。

特定技能2号について

有効期限は無制限

特定技能1号とは違い、特定技能2号の有効期限は無制限です。しかし、与えられた在留期間ごとに更新しなければいけません。基本的には6か月か1年、または3年ごとの更新が必要とされています。もちろん1号の終了後に2号を取得することも可能です。1号と違い、2号は要件さえ満たせば家族を連れてくることも可能であるため、安心して働くことが出来るでしょう。また、2号の取得には熟練した技術が必要とされています。2号を有する外国人はより専門的なスキルがあるため、企業の即戦力としての活躍が期待できるでしょう。

技能実習2号を良好に修了すれば試験が免除される

技能実習2号を良好に修了した場合、特定技能1号の試験が免除されます。具体的には、技能検定3級に合格している、或いはそれに相当する技能実習評価試験に合格していることが挙げられます。しかし、技能検定3級に合格している技能実習生はあまり多くありません。そのため、実習実施者の評価書で良好に終了したと認められる場合も特定技能の試験の免除が認められています。評価書には技能の習得状況や生活態度、また出勤状況を記載する欄があります。場合によっては記入に時間を要する場合があるので、事前に準備しておくと良いでしょう。

特定技能「建設」の対象職業

特定技能建設の対象職業は11職種あります。具体的には、コンクリートを打ち込むための型枠の加工を行う型枠施工や建設機械を使い積込みなどの作業を行う建設機械施工、また内装仕上げなどが挙げられます。それに加え、2020年2月から新たに7職種が追加されました。具体的には、大工や建築板金、また海洋土木工などが挙げられます。特定技能建築を有する外国人労働者が従事できる仕事の幅は拡大していると言えるでしょう。また、2021年から特定技能2号の試験が開始される予定です。より専門性の高い外国人を雇用できるようになるでしょう。

特定技能「建設」の目的

建設業界の人手不足解消のため

特定技能建設の目的の1つして、建設業界の人手不足の解消が挙げられるでしょう。現在、建設業の労働者はピーク時に比べ100万人以上減少しています。主な原因として、若者離れが挙げられます。建設業界へ就職する人は、1995年と比較すると2010年では7割も減少してしまいました。これは、建設業界に対する3Kのネガティブイメージが大きく影響していると言えるでしょう。このような深刻な人手不足問題を解決してくれるのが特定技能の建設です。資格保持者は若者が多いため、これからの建設業界を担っていく存在になるでしょう。

技能実習制度と異なり即戦力が求められる

技能実習制度と異なり即戦力が求められる点も、特定技能建設の目的の1つと言えるでしょう。特定技能の資格は、ある一定の知識や技術が無いと取得することが出来ません。2号ではさらに専門的な知識が必要とされています。一方技能実習制度は、外国人労働者が日本で技術を取得し母国発展に貢献することが目的とされています。そのため、特定技能に比べ専門性は高くないと言えるでしょう。人手不足に伴い即戦力としての人材を求める場合は、専門的な知識が豊富な特定技能の資格を有する外国人を雇用するほうが良いでしょう。

特定技能「建設」人材を採用する方法

建設技能人材機構(JAC)経由で採用する

特定技能建設を有する人材を採用するためには、JACと呼ばれる建設技能人材機構を経由し採用しなければいけません。建設技能人材機構は、建設企業団体が協力して特定技能を有する外国人を円滑に受け入れ、建設業界のさらなる発展に貢献することを目的に設立されました。一言でいえば、特定技能を取得している外国人の受け入れを実施する社会法人です。主な取り組みとしては、日本のビジネスマナーの教育や技能評価試験の実施等が挙げられます。外国人労働者を雇用するためには、この法人を通してしか受け入れることが出来ないので注意しましょう。

それ以外のブローカー経由での採用は禁止

建設技能人材機構以外のブローカー経由での採用は禁止されているため注意が必要です。JACの正会員になるか建設業者団体に所属するかのどちらかの方法で雇用するようにしましょう。また、特定技能の資格を取得するためにはいくつかの要件を満たしておく必要があります。一般的には技能試験と日本語の試験に合格する必要があります。日本語試験に関しては、国際交流基金日本語基礎テストか日本語能力試験のN4以上の合格が必要とされています。雇用する前に、これらの要件も満たしているかしっかりと確認しましょう。

特定技能「建設」人材を雇用する際の注意点

受け入れ企業は建設業許可を得ている必要がある

特定技能建設を有する人材を雇用する際の注意点は意外と多いです。きちんと理解した上で雇用するようにしましょう。まず雇用するに当たって、受け入れ企業は建設業許可を得ている必要があることを押さえておきましょう。建設業許可は、技術力や経営の安定性を一定基準満たしていれば取得することが出来ます。特に、500万円を下まわる請負工事しか受注していない場合は、建設業の許可は不要であるため得ていない可能性も十分あり得ます。雇用する前に自分の企業は許可を得ているのか確認する必要があるでしょう。

建設技能人材機構(JAC)に加入する必要がある

また、建設技能人材機構であるJACに加入する必要があることも押さえておきましょう。具体的にはJACの正会員または賛助会員になる方法と、正会員の建設業者団体に所属する方法の2つがあります。また、所属する団体によって加入費が大きく異なるため注意しましょう。比較的低額な金額だと、加入費が3万円で月会費が3千円程度。高額な場合は加入費だけで120万円、年会費で90万円近くするところも少なくありません。建設業者団体に所属する場合は、いくつかの団体を比較し負担がかかりすぎないようにしましょう。

常勤職員の人数よりも多い外国人は受け入れできない

常勤職員の人数よりも多い外国人は受け入れることが出来ないため注意しましょう。常勤職員とは全ての職員から建設特定活動と特定技能建設、また技能実習生を除いた人のことを指します。常勤職員の数を超えて雇用した場合、日本人従業員が面倒を見切れずトラブルに繋がる可能性があります。特に建設業では、大きな事故が起きた場合命を落としてしまう危険性もあります。人手不足を補うためといっても、無理な雇用はせず適切な範囲で人材を確保するようにしましょう。1人1人の人材をしっかりと育てることが企業の生産性向上に繋がります。

「建設キャリアアップシステム」への事業者登録が必要

特定技能建設の人材を雇用するには、建設キャリアアップシステムへの事業者登録が必要です。建設キャリアアップシステムとは、労働者の社会保険への加入状況や資格情報を登録蓄積し、労働者に対する適切な評価や業務の負担軽減に役立てるシステムのことです。2020年1月から、国土交通省により外国人労働者の登録が義務化されました。申請方法は技能者自身による申請と事業者による申請の2種類あります。登録料金や内容が少々異なるため、自身のニーズに合った方法で登録するようにしましょう。

派遣は認められず直接雇用のみとなっている

特定技能建設の場合、派遣は認められず直接雇用のみとなっているので注意しましょう。技能実習制度の場合、企業が直接雇用する方法と監理団体を通して受け入れる方法があるため、特定技能と混同してしまう方も少なくありません。しかし、特定技能には監理団体のような仕組みは存在しません。また直接雇用の場合、所定労働時間はフルタイムのみ認められています。給与水準も日本人と同等の報酬またはそれ以上の報酬が必要です。このように直接雇用をする場合はいくつか注意点があるためしっかりと押さえておきましょう。

人材不足の建設業には必要不可欠な制度です

特定技能「建設」人材を採用してみては?

今回は、建設の特定技能についてご紹介しました。この資格は、建設業界の人手不足問題の対策として2019年4月に導入されました。現在対象業務は18職種あり、具体的には建築板金や建設機械施工などが挙げられるでしょう。また、特定技能建設を有する人材の雇用は複雑で注意すべき点が沢山あります。特に、受け入れ企業は建設業許可を得ているかをしっかり確認しましょう。特定技能建設は人材不足の建設業とって必要不可欠な制度です。この機会に、特定技能建設を有する人材を採用してみてはいかがでしょうか。

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